もうすぐ脱サラして3年目を迎える。
 経産省を退職したのが2012年の9月28日だったのであと2日で丸三年だ。振り返ると本当に苦しい時期もあったし、未だ日々苦しいことには変わらないのだが、大分楽しめるようにもなってきたし経済的余裕も少しは出てきた。

最近では独立を考える人の相談を受けることも増えて来たので、ここらで脱サラ前後で自分の中で意識が変わった点についてつらつらと書き残しておこうと思う。誰かの役に立ってくれることを願いつつ、何よりも自分のために。

経産省辞める時
(経産省辞めた直後の記念写真)



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【①失敗に対して鈍感になった】

独立当初は官僚時代からの習性で「失敗」というものを無意識にとても恐れていたように思える。入念に準備したことや上手くいきかけたことがダメになると、お金がなかったこともあってこの世の終わりのような気分になった。今では多少の失敗やつまづきが合ったところで「これも運命かな。さ、次行こう」という感じで余程のことが無い限り何も感じなくなった。どこが転機だったのかと振り返ると、多分2年前くらいで、遣ること為すこと上手くいかなくて、金も無くて、もう「正解」というものが分からずに何をして良いか分からなくなった時に「むしろ『正解』何てはじめからないのか」と発想の転換が起きたように思える。振り返ってみると官僚時代の自分は世間知らずでいい子ちゃんだったんだろう。

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【②イノベーターになることを諦めて難しいことをするのを辞めた】

独立当初は自分のことを「世の中にない何か新しいことが出来る人」と、これまた無意識に、勘違いしていた。だから自分の知識を色々とこねくり回して新たなビジネスモデルを作り出そうと頑張ったのだけれど、人が付いてこずに失敗を繰り返した。よくよく考えれば何の実績も無い脱サラ三十路についてくる奴などいないに決まっているのだが。。。今では「自分には商売の才能が無いんだから、人がやっていて上手くいっているものを見て、自分なりに少し改善してその一部を真似る」というように考え方が変わった。これまたどこが転機だったのかと考えると、格好付けてたら2年前くらいにお金が底を尽きて格好付ける余裕も無くなったことが転機だったように思える。この一年の自分の収入の大半は太陽光発電の仲介と役所時代の知見を活かしたコンサル的なもので、なんの新味もないのだがそれでいい。新しいことは儲かってからやれば良い。自分には商売の才能何て多分無いんだから、目の前の確実に見えることをきっちり丁寧にこなしていくしか無い。

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【③自分の小ささを認めて神様の存在を信じるようになった】

昔は「神様なんて非論理的な存在いるはずがない。運命は自分で切り開きコントロールするもの。」というようなことを思っていたのだが、今では毎月初めに神社に行っておみくじを引いて読み込むのが恒例行事になっている。独立してから「自分で考えてやろうとしたこと」は何も上手く行かず、無力を痛感することが多くてすっかり自信をなくしていたのだが、いくつかの天から降って来たような奇跡的なチャンスとそれにしがみつこうとする自分の行動が運命を切り開くこととなった。そのうち「自分で切り開きコントロールするには世の中は広くて複雑すぎる」と思うようになり「自分の今出来ることを積み重ねていけば神様が見ていてくれてチャンスをくれる。自分に出来ることはそのチャンスにしがみついて逃さないことだ」と発想が180度変わった。自分のような小さな存在は神様の思し召しで生き延びている存在だし、何があろうと運命として受け入れるしか無いと思っている。

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【④他人と自分を比較するのを辞めてありのままの自分を認めた】

昔から他人と自分を比較する癖があって独立当初、特に物事が上手く行かないときは、「周りは自分のことをどう思っているんだろう。バカにしているんじゃないか?笑っているんじゃないか?」などと他人が自分をどう見るかスゴい気になった。結婚式など同級生が集まる場に行くと自分が惨めでたまらなくて無理して見栄を張っていた。ある時ドン底まで落ちて「1000円で一週間暮らさなければいけない」という状態になり、どうにも見栄が張れなくなってFacebookで「お金がありません。助けてください。」というようなことを書いたら、知り合いの知り合いの会ったことが無いような人が駆けつけて飯を作ってくれた。本当に有り難かった。その時に「現実を隠さずそのまま表現すると自分に必要な人が来てくれるんだ」と目から鱗が落ちた気分になり、それ以降なるべく自分の現状をそのまま表現するようにした。今でもたまに癖で見栄を張ってしまうことは有るけれど、だいぶ「有りのままの自分」というものを受け入れて表現できるようになって来たと思う。

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【⑤信頼の重みを知って人を大切にするようになった】

昔は「他人に迷惑をかけない」ということがポリシーで、自己完結した世界で生きていて、人の好意に甘えられず、また人に好意を示せなかった。振り返ってみるに結局は自分が傷つくのが恐かっただけのように思えるのだが、それでもサラリーマンをやっている限りは組織が人間関係を作ってくれるのでそれでも生きていけた。ところが独立してもそういう自己完結した態度を取り続けていたら、あっという間に周りから人がいなくなり、どんどん孤立していった。その時に「それでも自分の周りに残ってくれた人を大切にしよう」と心底感じ、また人と人を繋ぐものは信頼で、その信頼の上に商売が成り立つのだということを痛感した。大組織にいるときは組織が信頼を与えてくれるのだが、個人になるとそれが無くなるので自分で自分の信頼を積み重ねて人間関係を保つしかない。そのためにはこれと見込んだ人に対しては、自分のことのようにその人のことを考える、という態度を貫いて「迷惑をかけない」のではなくむしろ「お互い迷惑を掛け合っても笑える特別な関係を築く」ことこそが大事なのだと感じるようになった。



以上偉そうなことを書いたが、所詮自分は独立してから3年しかたっていない三十代前半の若造で、上に書いたようなことも意識はしているが実践は100%できているわけではない。ただ脱サラしてからの3年間は本当に社会や人間の奥深さを知って成長できる時間ではあったと思う。


ではでは今回はこの辺で。
努力、前進、a beatutiful star。