本日浜田聡参議院議員の事務所にて、法務省から刑法175条(わいせつ物等頒布剤)と売春防止法についてレクを受けましたので、問題ない範囲で共有します。 AVの根本的な法的問題について詰めました。 ======= <刑法175条関係> (一般論) ・犯罪の構成要件については条文の通りで、わいせつな電磁的な記録をネットで配信したら(懲役、罰金等)となる。 ・問題は「わいせつ」物の解釈だが、これについてはいわゆるチャタレー判決に従っている。具体的には以下の通り 「徒らに性欲を興奮又は刺戟せしめ、且つ普通人の正常な性的羞恥心を害し、善良な性的道義観念に反するものをいう」 courts.go.jp/app/files/hanr ・これに個々の事例が当てはまるかどうかについても、同判決で裁判所が「良識すなわち社会通念」に照らして判断するとされている。なお良識については以下の通りとされている。 「〜社会通念は、「個々人の認識の集合又 はその平均値でなく、これを超えた集団意識であり、個々人がこれに反する認識をもつことによつて否定するものでない」」 ・あいまいであるが、司法の世界のことで役所としてはこれ以上言える立場ではない。 (AVは率直に言って刑法175条に照らして違法なのか?) ・役所としてはAVに関しては違法とも合法とも言えない。 ・もう少し言えば「社会通念に照らして裁判所が判断するもの」としか言えない →宇佐美補足:つまり現行刑法に照らせばAV産業はどこまでもグレーな産業である (モザイクについて) ・モザイクがあったからOK、モザイクがなければダメ、ということは刑法175条との関係では言えない。 ・あくまで「わいせつ」にあたるかどうかは「良識すなわち社会通念に照らして裁判所が個々に判断する」ものである →宇佐美補足:つまりAVのモザイクは、刑法との直接の関係で要請されるものではなく、警察がAVメーカーを摘発するかどうかの一つの基準として定着しているものである (2項の保管の範疇) ・「わいせつ」に該当する電磁的記録は、商用目的にサーバーに置くだけでもNG <売春防止法とAVの関係> ・売春防止法における「売春」の定義は「対償を受け、又は受け取る約束で不特定の相手方と性交する」となっている。 ・したがって、条件にもよるが、AVに出演して特定の相手方と性交して、製作者から出演料をもらう分には、この「売春」に該当しない可能性が高い ・ただ一概にも言えないので、詳細は質問主意書を出してくれれば、揉んで答える。どのような答えになるかは保証できない。 (→浜田事務所に検討を依頼) ======= <その他私見> ・刑法175条との関係だと、公然性(不特定かつ多数)の解釈によっては、現状いわゆるアダルトチャットのやっていることはアウトになる可能性が高いように思える ・業界としては、AV新法の改正の議論が始まる前に、自浄化にむけて動き出さないと、特定の政党に足元を掬われる可能性が高いように思われる。 (了)