JBpressさんに以下のような記事を寄稿させていただきました。

野党の逆襲で安保法案は白紙に? ビジョンなき「平成の大同団結」にその先はあるのか】 

なんとなくタイトルが日刊ゲンダイっぽいですが、この辺は編集者のセンスなので悪しからず。内容は現在進んでいる政界再編の本質が相変わらず、改憲VS護憲、という枠組みであることを踏まえて、議席数ベースで与野党のそれぞれ事情を分析したものです。
54

(参議院HPより)

記事にも書いたように仮に集団的自衛権を認める安保法改正に違憲判決が出て、かつ与党が衆参両院で2/3の議席が確保できていない場合、政権は行き詰まることになります。そんなわけで野党の2016年7月の参院選での目標は「与党側に2/3以上の議席を取らせない」という比較的ハードルが低いものになります。一部の方が言っている「野党再編によって『政権交代可能な野党』を作る」というのは方便でしかないと捉えた方が良いのでしょう。仮にそのような主張をしている人自身が本気で言っているとしても、現実はそのようには動かない状況に有ります。

逆に言えば自民党ー公明党は参議院の2/3以上(162議席以上)をめざすには、非改選議席76議席に加えて86議席を獲得しなければいけないのですが、これを改選対象の121議席から獲得するのはなかなか至難の業ですから与党も与党で政界再編にむけて動き出すことになるわけです。

http://www.huffingtonpost.jp/2015/09/19/kobayashi-setsu_n_8164456.html

いずれにしろ今後の政界最大のマターは安保法案の違憲訴訟という司法の場に持ち込まれるわけですが、憲法学会が総出でこれを支援すると思われるので、違憲判決が出る可能性はそれなりにあると考えた方が良いと思います。仮にここで違憲判決を引き出せなければ憲法学会の面目が丸つぶれになってしまいますし、また野党は戦略ミスで全面的に窮地に陥ることになります。

いずれにしろ与野党共に「集団的自衛権の違憲訴訟」という時限爆弾を抱えたわけで、これがどちらの方向に向けて爆発するかは司法の判断に委ねるしかないという意味で,我が国政治史上かつてないほどに司法の判断が注目されることになりそうです。


ではでは今回はこの辺で。